在宅亭主の旅日記

旅に出たいけどお金がないので近所をぶらぶらしている在宅ワーカーの旅夢想コラムです

電車の前方動画で垣間見る世界のお国柄

 

今やYouTubeでは電車やバス、車などの前方動画はいくらでも転がっている。おそらく国内の鉄道線はYouTubeのみで「全線完乗」が可能だろうし、日本に限らず世界中の乗り物が各種取り揃えてあるようだ。どうやら撮る人と観る人、それぞれに愛好者は世界的に多いらしい。

 

2階建てが幅をきかす香港

 

先日、偶然に香港の路面電車の前方動画を見た。道路脇にビルが林立し、あまり広くない幅の道路に路面電車とバスと車と人がごちゃまぜに放り出されたようなカオスな街並みが面白かった。香港は路面電車もバスもみんな2階建てなんですね。私は香港に行ったことがないのでまずそこにびっくり。

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 ↑この写真は下のYouTube動画のスクリーンショット

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↑私が見た動画

 

で、信号待ちで連なる2階建てバスの行列の横をすれすれに通過する2階建ての路面電車。そして反対方向すれ違う路面電車も当然2階建て。土地が狭いからなのでしょうが空間の有効活用ぶりがすごいですね。そして軌道の敷地内にバンバン入ってくる車の多いこと。電車に追い立てられてもお構いなし。

 

いやぁー、これはすぐにでも香港に行って丸一日電車やバスに揺られたくなるような、見てて楽しい動画でした。ただ今の香港は例の国家保安法の影響でどうなっているのか?まぁコロナで今は海外旅行どころではないですがね。

 

軒先スレスレ、踏切はバリケード封鎖!

 

そういえば以前見たベトナムの鉄道の前方動画では、ハノイかどこかの街中の密集地をのんびりと走りぬける場面が出ていたが、本当にビルや住宅の鼻先スレスレを走っていてそれが何百メートルも続く。一体この国の鉄道の建築限界はどうなっているのか。

 

高架化される前の京浜急行の品川〜青物横丁あたりもやはり住宅スレスレの連続で、そこを京急自慢の快速特急が遠慮なしにすっ飛ばして行くので、はじめて乗った時はまぁ驚いたものだが、このベトナムのスレスレ感はちょっと次元が異なる感じがする。列車が来る直前まで住民が線路内を歩いたり首を出して列車を眺めたりしているので、基本的に線路内に人が入る事がない日本とは鉄道に対する感覚が違うのだろう。

 

またこれもベトナムの話だが、車の通りの激しい大きい踏切では必ず踏切手がいて、列車が来るたびに引き出し式の重そうなバリケードを踏切手が出したり引っ込めたりしていた。列車の直前での踏切突破を防ぐためなのだが、小回りの利くバイクは警告のサイレンもなんのその、バリケードが閉まる寸前まで強引に侵入してくるのがなんとも微笑ましい。

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 YouTube動画↓とそのスクリーンショット

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線路の上はバザール会場

これはどこの国だか忘れたが多分東南アジア。線路の両脇に連なる商店の棚や日除けテントが線路上に堂々と伸びてきて線路上がバザール状態になっていて、水上マーケットならぬ線路上マーケットになっているのも見た。当然人々も線路を自由に歩いている。そこへ列車が近づく気配がするやみんな一斉に商品をしまいテントをたたみ何十メートルにわたって広がっていたバザールがあっという間に撤収される。そして列車がノロノロと通過していくと、また線路の両側からテントや商品棚が伸びてきてバザールに戻る。これも日本ではありえない光景だろう。

 

そのうち中東やアフリカ、南米などの動画も見てみたいが、アメリカやヨーロッパなどいわゆる先進国でも驚き景色が展開されているかもしれない。何か面白い景色を知っていたらぜひ教えてください。

 

 

デジタルを駆使した野球も結局はアナログがキモ

セイバーメトリクスで強くなったパイレーツ 

 

先日『ビックデータ・ベースボール』という本を図書館で偶然見つけ借りて読んでみた。

野球のアメリメジャーリーグピッツバーグ・パイレーツというお金がなくて弱かったチームが、セイバーメトリクスを駆使して勝ち進んでいったいきさつを解説した本だ。

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セイバーメトリクスというのは野球を統計的に分析する手法のことだ。つまりぱっと見わかるような、ヒットを何本打ったとか、三振をいくつ取ったとかで選手の善し悪しを評価するのではなく、いろんな指標をコンピューターを使ってタテヨコナナメに切り刻んで組み立て直し、新たな視点から選手の価値を捉え直して、同時にチームの戦略をも作り替えようというものだ。

 

ブラピが主演した「マネーボール

 

 この本に出てくるパイレーツの快進撃は2013年のことだが、数字を駆使したチーム運営で最初に話題をさらったのは2000年代初頭のオークランド・アスレチックスだ。そこの名物GM (ゼネラルマネージャー)のビリー・ビーンが、金持ち球団に強奪されたスター選手の後釜を見つけるために頼ったのがセイバーメトリクスなのだ。

 

アスレチックスとビリー・ビーンの話は『マネーボール』というれっきとしたハリウッド映画になっていて、気性が荒く偏屈者のビリー・ビーンの役をブラッド・ピットが好演した。ちなみに私はこの映画が好きでDVDも持っている。なお原作の書籍がちゃんとあって日本語版も出版されているが、野球が好きなら映画よりも興味深い内容だ。

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で、この本『ビックデータ・ベースボール』を読んでの感想はいろいろあるのだが、印象的だったのが従来のセオリーを離れてビッグデータを用いた最新の戦術を採用するのはいいとして、それを監督、コーチ、選手たちに納得してもらうのが大変、という部分だった。

デジタルを駆使した最先端の野球をするのに必要なツールが選手、スタッフとの付き合いや信頼関係というアナログ、というのが逆説的というか、やはり最後はそこか!という具合で、人が社会の中心である限り古今東西変わらない真理なのだと感じた。

 

そういえば『マネーボール』でもGMのビリーが自ら編み出した戦略に沿って獲得した選手を監督が一向に試合に使わないので、どうにかして使わせようと暗闘を繰り広げていた。しまいには業を煮やしたビリーが監督お気に入りの選手を勝手にトレードで放出してしまい、事後報告された監督が口をあんぐりさせるシーンが出てくる。

 

笛吹けど踊らず。人はロボットではないから、納得しないと動かないし、いやいや動いても狙った結果は出ない。いやはや「ワンチーム」とはよくいったものです。

 

さて、次回はセイバーメトリクスがもっと普及すると野球は、またファンはどう変わるのか?日本でセイバーメトリクスを本気でやりだしたらどんなことが起こるのか?といったことを空想したいと思います。

お楽しみに。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。